2017年4月10日月曜日

【回転窓】確かなものづくりを次世代に

体より大きなランドセルを背負った小学1年生が上級生に連れられて歩いていく。不安を期待が上回るような表情で手を振るわが子を見守る親に「今のお気持ちは?」と取材してみたくなった▼先週は多くの小学校で入学式があったことだろう。気の早い話だが、ランドセルの業界ではもう来春の新1年生向けの商戦が静かにスタートしている▼「確かなものづくりを、次の世代に」。ある老舗工房が作るランドセルのカタログにそんな文言があった。ランドセル製作も建設業と同じものづくり産業である。原点は通じているのだろう▼「経験を伴う建設業は監督も職人も育てるしかない」。先日、建設関係の団体が会員企業の新入社員を対象に行った研修会で、講演した作業所長がそう話していた。締めくくりの「明るい未来が待ち受けている。しっかり頑張ってほしい」というエールに、育成を担う側の熱意と決意がにじんでいた▼入社から1週間。お節介を承知で、新入社員たちに講演した所長の言葉をもう一つだけ引いておく。「親が子を守るのと同じ」。次代を担う皆さんを大勢の職員や作業員が見守ってくれている。

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