2017年4月13日木曜日

【回転窓】長距離鉄道のロマン

南米ペルーで5月に豪華寝台列車の運行が始まる。オリエント急行などを運行するベルモンド社の「アンデアン・エクスプローラー」▼アンデス高原を横断し、古代インカ帝国の都クスコやチチカカ湖などを結ぶ。壮大な景色が堪能できるだろう。海外では世界最長を誇るシベリア鉄道にも憧れる▼日本海に面したウラジオストクからバイカル湖などを通ってモスクワに向かうルートを一度は体験してみたい。「恐ろしく単調で退屈」といった感想も聞くが、広大なユーラシア大陸を極東から欧州方面へ向かうのは何とも魅力的だ▼シベリア鉄道の原形が出来上がったのは1916年。永久凍土が広がる厳しい条件下での工事には多くの苦労があったという。建設途中に日露戦争が開戦。全通翌年にはロシア革命が起きる。激動の歴史と共に今に至る▼昨年には、シベリア鉄道の北海道への延伸をロシアが日本に要望する一幕もあった。延伸の先行きは不透明ながら、日本通運がシベリア鉄道を利用して地方港から貨物を輸送するサービスを始めるなど新たな動きも。やはり鉄道は交流の要。これからは何を結んでいくのだろう。

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