2017年6月23日金曜日

【回転窓】インフラに責任を持つ

本紙の連載や最終面に掲載される記事には、取材・執筆に当たった記者の個人名が明記されることが多い。読者の中には、それを覚えていて下さり、取材先で名刺交換した際、「あの記事を書かれた方でしたか」などと言っていただけることがある▼署名入りの記事は、取材する記者のモチベーション向上という意味合いに加え、記事に対する責任を記者として強く意識することにもつながる。一度、新聞に名前が載れば、インターネット上で拡散するなど思わぬ広がりを見せることもあり、それだけに緊張感も増す▼建設工事でも、構造物に設置した銘板に施工者や担当した技術者の氏名が記されることがある。今、こうした取り組みを広げ、工事に携わる人たちの誇りややる気を醸成していこうという動きがある▼銘板に会社名や自分の名前が残れば、支えてくれる家族に「これがお父さんの仕事だ」と誇りを持って話すこともできる。建設産業の将来を担う若者の目標にもなろう▼同時にインフラを「誰がつくったか」が明らかになる。維持管理段階に入ったインフラに建設業界が「責任を持つ」と宣言することでもある。

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