2017年8月24日木曜日

【回転窓】飯田線80周年に思う

JR飯田線が20日、全線開業から80周年を迎えた。JR東海は記念列車の運行や記念切符の発売など各種イベントを開催。沿線地域の観光PRにも熱を入れる▼飯田線は豊橋~辰野間の196キロを結ぶ。戦前の1937年8月20日、三信鉄道(当時)が進めた延伸開業で私鉄4社の路線がつながった。43年に国有化され、87年の国鉄分割民営化を経て今に至る▼愛知、静岡、長野の3県を天竜川に沿って走り、山あいを通り抜ける。計94ある駅の中には、駅周辺に人の気配が全く感じられず、鉄道以外では到達が難しいとされる「秘境駅」も多い。鉄道愛好家による秘境駅ランキングでは100位以内に7駅が入り、複数駅が上位に名を連ねる▼秘境だけに施工条件は厳しく、工事受注に難色を示す企業も多かったという。全線開業の翌年に創立した熊谷組は、初代社長の熊谷三太郎氏が個人名で契約した「三信鉄道建設工事」の実績を足掛かりに天竜川水系のダム・発電所、鉄道関連の工事を受注し、同社発展の礎を築いた▼建設プロジェクトの周年を機に、先人たちの苦労と偉業を振り返る。現役世代が学ぶべきことは多い。

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