2017年9月22日金曜日

【回転窓】異分野交流の果実

太陽光発電と農業を両立させる「ソーラーシェアリング」が全国に広がっているそうだ。人気の理由は農産物と売電による二つの収入が期待できること。天候不順による不作や外国産との価格競争に備える農家に新たな収入源を生み出すことは、後継者確保にも役立つとみられる▼ソーラーシェアリングは農地に高い支柱を立てて太陽光発電設備を設置。下部空間で作物を育てる。営農の邪魔にならない支柱配置やパネル下に日差しを通す工夫が必要になる▼そうした農家のニーズに合わせた仕様を実現するのは多くが建設業だ。工夫の成果は、野菜、果物など多品種の生産が可能なことに表れている▼同様のシェアリングの発想は下水処理場や道路の上下部空間の活用など建設分野にもあるが、実施例は少ない。土木と建築の融合も実現のカギの一つだが、普段は両分野の技術者の交流は多くないようだ▼一つの事業にさらなる付加価値を与えるには1人より2人、2人より3人の発想を持ち寄ることが有効だ。異分野の発想が交われば新たな社会資本整備の可能性も広がる。国には異分野交流を促す事業の実施も期待したい。

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