2017年9月12日火曜日

【回転窓】新記録を陰で支えた存在

先週、福井市で開かれた陸上競技大会の男子100メートルで、桐生祥秀選手(東洋大)が9秒98の日本新記録を樹立した。日本記録が10秒00に到達してから0・02秒、距離にして20センチ縮め、10秒の壁を突破するのに19年の歳月を要したことになる▼好記録を出すのは、選手本人の才能に加え、血のにじむような日々の努力、所属チームやスポンサーのサポートがあってこそ。だが陸上で言えば、競技の舞台になるトラックを決められた基準の中で整備し、維持管理し続けることも重要な要素ではないだろうか▼国内の場合、日本陸上競技連盟が定める競技規則に従い、公認競技場として備えるべき要件が厳格に定められている。当然、走路の斜度や舗装の構造、素材などにも細部にわたって規定がある▼陸上競技は門外漢なので「記録が出やすい競技場」が本当にあるのかどうか、正確なところは分からない。だが、整備を担う設計者や施工者は、施設を最高の状態に仕上げることに心血を注いでいる▼歓喜を陰ながら支える存在。目立たないかもしれないが、桐生選手の記録達成を喜んでいる建設業界の関係者はきっといるはずだ。

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