2017年9月4日月曜日

【回転窓】手入れを怠らずに

東京都心には意外と緑が多い。皇居や新宿御苑、明治神宮、上野公園といった大きな緑の空間から、地域の公園や貸し農園など小さな緑地まで多彩な自然を楽しむことができる▼多様性のある豊かで快適な都市の自然生態系を構築する-。そんなコンセプトの都市計画や街づくりは多く、地域に残る緑地のポテンシャルをどう引き出すか、屋上や壁面を緑で覆った建物や街路樹、都市公園など新たな緑地をどれだけ生み出していくかがポイントとなる▼国土交通省が先日発表した全国の屋上緑化・壁面緑化の施工実績調査によると、16年度の施工面積は屋上、壁面とも前年度と比べて約3割増加した。近年では1件当たりの面積も増加傾向にあり、1000平方メートル以上の大規模な屋上緑化が増えてきている▼日本の里山は自然のまま存在するのではなく、人間が下草を刈り、枝をはらうことで保たれている「手入れ」された自然だ。原生林では見られない昆虫や植物が里山にはたくさんいるという▼市街地の緑地面積は着実に増えている。多様性のある豊かな自然生態系を育てていくためにも都市の森の手入れを怠ってはいけない。

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