2017年11月16日木曜日

【旧国立競技場のレガシー後世に】記念作品25点、新国立での設置場所決まる

旧国立競技場記念作品25点の設置場所(JSC報道発表資料より)
日本スポーツ振興センター(JSC)は、旧国立競技場に設置していた炬火台(聖火台)や彫刻、壁画など25点の最終保存場所を決定した。学識者らで構成するアドバイザー会議の意見を踏まえ、1964年の東京オリンピック開催など旧国立競技場の記憶を引き継ぐ作品として、現在建設中の新国立競技場に配置する。

 美術鋳造の名工だった鈴木万之助が制作に携わった高さ2・1m、最大直径2・1mの聖火台は、大正~昭和に活躍した日本画家・フレスコ画家の長谷川路可が手掛けた壁画「野見宿禰」「ギリシャの女神」ととともに、新国立競技場東側ゲートの正面に設置する。

 「健康美」(作者・北村西望)や「青年像」(朝倉文夫)、「槍投げ像」(雨宮治郎)など7点のブロンズ像はテーマごとにまとめ2カ所のゲート付近などに配置。▽東京オリンピック大会優勝者銘盤(2×54m)▽1976年ユニバーシアード東京大会優勝者銘盤(2・5×6m)▽1991年第3回世界陸上選手権大会優勝者銘盤(2・7×5・1m)-の3点は、スタジアム西側デッキ下の来場者が見やすい場所にまとめて設置する。

 「人と太陽」(大沢昌助)や「躍動」(脇田和)、「躍進」(寺田竹雄)、「より高く」(宮本三郎)など11点の壁画は、風雨の影響を受けにくいスタジアム南西側デッキ下にまとめて設置。散策などで訪れた市民が作品に親しめるようにする。

 25点の作品は1958年3月の完成から64年の東京オリンピック開催までの間に「国立競技場を芸術作品で彩る」という趣旨に賛同した寄付者の協力を得て設置された。聖火台は旧国立競技場の解体に併せて2014年10月に取り外され、現在は宮城県石巻市に貸し出し中。作者の鈴木万之助は鋳造作業の途中で他界、3人の息子たちが仕事を引き継いだ。三男の文吾さんは亡くなるまで、聖火台を磨け上げるために毎年来場していたという。

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