2017年12月27日水曜日

【緩行線トンネル貫通、仕上げ工事進む】小田急下北沢駅付近複々線化、18年3月完成へ工事大詰め

 小田急電鉄が進める小田急線東北沢~世田谷代田駅付近間(世田谷区、延長1・6キロ)の複々線化事業が大詰めを迎えている。

 現在供用している急行線トンネルの上部の緩行線トンネルが既に貫通し、三つの工区で仕上げの工事などを実施中。18年3月の全線複々線の完成・運行開始は2018年3月を予定している。

 同事業は東京都主体の連続立体交差事業と一体的に実施。東北沢~世田谷代田駅付近間の地下に、急行線トンネルと緩行線トンネルの2層構造のトンネルを構築し、複々線化を図る。

 現在、東北沢駅の緩行線ホームなどを整備する「第1工区」(施工=大林組・鉄建建設・五洋建設JV)、世田谷代田~下北沢駅間の埋め戻しや、下北沢駅の駅舎とホームなどを整備する「第3工区」(施工=大成建設・前田建設・西松建設・錢高組・三井住友建設JV)、世田谷代田駅のホーム仕上げなどを行う「第4工区」(施工=清水建設・鴻池組・大豊建設JV)の3カ所で工事が進められている。

 地下で2層構造のトンネルを構築する事業について、小田急電鉄複々線建設部の宮原賢一課長は「下北沢駅は京王井の頭線が既に高架化されていて、その上に線路を通すとなるとコストがかかる。世田谷代田駅付近には交通量が多い環状7号線があり、(通行止めなどの)工事の影響を避けたかった」と地下化の理由を説明した。

 同事業が完了すれば、和泉多摩川(東京都狛江市)~東北沢駅間の約10・4キロの複々線化が完了する。宮原課長は「1989年の和泉多摩川~喜多見駅(東京都世田谷区)の複々線化事業の着工からおよそ30年。先達が進めてきたこの工事を焦ることなく、安全、着実に完了させたい」と語った。

 事業と並行して、世田谷代田、下北沢、東北沢各駅の新駅舎を整備。世田谷代田駅は今年3月、東北沢駅は16年11月に完成した。下北沢駅での工事の進ちょく率は約50%で、現在は京王井の頭線との交差部を含む新宿側の駅舎の工事が進んでいる。19年3月に完成する予定だ。

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