2018年2月21日水曜日

【こちら人事部】奥村組「指導員制度」で手厚くサポート

社員らが登場するウェブ説明会が好評という
 ◇人と関わることに積極的な姿勢重視◇

 1907年創業で、今年111年目を迎えた。土木はシールドや山岳などトンネル建設を得意とする一方、建築は国内初の実用免震ビルを建設するなど「免震のパイオニア」としての地位を築いてきた。

 ゼネコンは、仕事で関わる人の職業や立場が多種多様だ。採用を担当する中村智紀管理本部人事総務部人事課長は、「人と関わることにポジティブな意識を持つ人は、当社で大きく成長する素質が備わっている。人と積極的に関わることができる人に来てほしい」と話す。

 激しい人材争奪戦が続く新卒採用活動で、他社との差別化に知恵を絞る。女性や中堅社員が登場し、仕事の魅力などについて語る動画を、就職サイトや自社の採用ホームページに掲載する「ウェブ説明会」を始めた。働く人の生の声を聞くことができ、就活生からの評判も上々という。

 より多くの学生にゼネコンの仕事の魅力を感じてもらえるよう、施工現場でのインターンシップ受け入れも増やしている。

 「奥村組の強みは『人』。会社のシンボルマークは、人を大切にしたいという思いから『人』を象徴したものとなっている」と中村課長。同社が経営理念に掲げる「堅実・誠実」の姿勢は仕事に対してはもちろん、人への対応にも貫かれる。より良いものづくりの礎を築くため、多様な人材が生き生きと活躍できる環境整備に努めるとともに、人材育成にも力を入れている。

 新入社員研修は、職場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が基本だ。入社5年目程度の若手社員を指導員に付け、マンツーマンの指導を行う「指導員制度」を採用している。新入社員研修は年4回、入社2~4年目研修は毎年1回、全職種の若手社員を対象に集合研修を実施する。

 研修内容は、目標に対する実施状況の振り返りをはじめ、各種法律や社内制度、安全に関する知識習得、コミュニケーション能力の向上、メンタルヘルスなど、業務を円滑に進めるためのフォロー研修が中心となる。

 職種別の研修のうち、土木・建築職は、将来、工事所長となることを目指す内容で、必要な施工管理能力を身に付けるために測量や歩掛かり、工事写真の撮り方、各工種の内容、施工計画、工程表作成などを段階的に学ぶ。

 事務職は、部署によって仕事内容が大幅に異なるため、入社2~4年目に各部署の業務内容や求められるスキルを学ぶことで、キャリアプランの構築に役立ててもらう。

 就職活動は、実際に自分が働く姿をイメージできるかが重要となる。中村課長は、「働く社員の生の声を聞くことで、パンフレットや雑誌などの表面的な数値・文字情報では知ることのできない企業や仕事内容の実情を知ることができる」と強調。「多くの社会人の話を聞き、自分が生き生きと働く姿が想像できる企業を見つけてほしい」とアドバイスしている。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】 男性73人 女性6人(17年度実績)

 【3年以内離職率】8・3%(14年度新卒)

 【平均勤続年数】 男性18・4年、女性15・4年(17年3月末時点)

 【平均年齢】   43・7歳(17年3月末時点)

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