2018年4月17日火曜日

【記者手帖】アナログだからこその魅力

仕事をする上でスマートフォンが手放せない。目的地へのルートを調べ、相手先に連絡を入れる時もいつも片手にスマホがある。「これがなければ生活ができない」と思うことすらある。幼いころからデジタル機器に囲まれて育った世代を「デジタルネーティブ」と呼ぶ。自分もそのうちの1人といえよう◆しかし、便利さの一方、味気なさを感じることもある。無駄なく目的地にたどり着けるので、現地の人に道を聞くことや迷いながら訪れた街の雰囲気を知るようなささやかな交流がなくなった。デジタルで効率化するのはいいが、大切なことを失ってしまったような気にもなる◆ある仕事で、アナログの魅力を再確認させられたことがあった。インタビュー記事を掲載した際、取材相手から直筆の手紙を頂戴した。はがきには細かい字で感想やお礼がつづられていて、その筆致に書き手の気持ちが思い浮かぶようでうれしかった◆人に道を聞くことや手紙を書くことは、どちらも余分な時間がかかる。しかし、その手間にはかけがえのない温かさが宿ることも忘れずにいたい。(裡)

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