2024年4月16日火曜日

回転窓/宇宙滞在のレジェンド

 人類が宇宙へ飛び出し、暮らし続けることは可能なのか--。かつてマンガやアニメなど空想世界で思い描いた夢物語は、グローバル規模で官民が協働し実現に取り組んでいる▼宇宙空間での長期滞在は、約400キロ上空で実証されている。現在、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在するロシアの宇宙飛行士オレク・コノネンコさんが宇宙滞在の史上最長記録を更新中。これまでの最長記録(通算878日11時間29分48秒)を2月に抜き、6月には通算1000日を超える見通し。最終的に1110日滞在して9月に地球へ帰還する計画だ▼日本人の最長記録保持者は若田光一さん。計5回の飛行で宇宙滞在は通算504日余りに上る。日本人初のISS船長を務めるなど、宇宙開発分野では日本を代表するレジェンドの一人と言えよう▼先月末で宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職した若田さんは、米国の宇宙関連企業に所属し生涯現役を貫く。宇宙滞在記録が今後さらに伸びそうだ▼先週の日米首脳会談によると、日本人の宇宙飛行士が月面に2回着陸する機会が提供されるという。月での街づくりに期待が膨らむ。

source https://www.decn.co.jp/?p=162755

2024年4月15日月曜日

回転窓/浜名湖の旬と酒造り

 静岡県の浜名湖で鮎子の水揚げが始まった。そのおいしい揚げたてを味わえる季節到来である▼今月初めに浜松市を訪れた。料理店でシーズン終盤のカキと旬の鮎子をどちらも天ぷらにしてもらい、2年前に発売された地酒とともに堪能した▼浜松産のコシヒカリと水で造られた地酒「Enshu」は香りも味もよく、小欄が知る日本酒とはまた違ったうまさ。二つの酒造会社から同じ銘柄で浜松パワーフード学会員の店に提供されている▼コロナ禍で消費が低迷していた中、浜松の食用米で新しい酒をつくり、食品ロスを防ぐなど地産地消の取り組みに貢献しよう--。そうした目的で地元の料理人と農家、杜氏(とうじ)が協力し合った▼浜名湖では16年前から建設業や漁業、観光業などの関係者で構成される浜名湖地域舟運都市構想研究会が活動する。業種を超えた連携で貴重な観光資源を生かし、地域の活性化を図るのが狙いだ。浜松での新たな酒造りとも通じるものがある▼「Enshu」の命名者は、徳川宗家19代当主の徳川家広氏(同学会特別顧問)。地域の人たちの思いが結実し生まれた銘酒は、浜松の魅力の一つに加わった。

source https://www.decn.co.jp/?p=162709

2024年4月12日金曜日

回転窓/大阪・関西万博まで1年

 大阪市此花区夢洲で予定されている2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が13日で開幕まで1年となる。万博協会は同日、魅力を発信するイベントを開催する。会場スタッフの公式ユニフォームも披露する予定だ▼参加する国・地域らが行う公式イベントの第1弾となる116件の発表内容は音楽や舞台、展示、講演などさまざま。多彩な催しで世界の国々らと盛り上げていく▼会場整備を担う建設業界としては工事の進捗が気に掛かるところ。シンボルとなる「大屋根リング」は、木組み構造の約8割が組み上がった。1周約2キロで、9月末に全周がつながる見通し。完成すれば世界最大級の木造建築となる▼パビリオンも続々と着工し、工事が本格化している。自見英子万博担当相は9日の会見で、海外パビリオン建設に対して「開幕までに工事を完了させられるように準備を進めることが重要」と強調した▼博覧会国際事務局の幹部は「準備万端」と太鼓判を押すが、建設業に時間外労働の上限規制が適用されたタイミングで佳境に入る万博工事。厳しい工期の中でも優れた技術を駆使し安全施工に徹してほしい。

source https://www.decn.co.jp/?p=162643

2024年4月11日木曜日

回転窓/銭湯ブームの再燃へ

 自宅近くの銭湯に行くのが最近のルーティンとなっている。隅々まで清掃が行き届いた店内と雰囲気が気に入り、1年ほど前から通い始めた▼全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会(全浴連)の調べによると、2023年の銭湯数(組合加入)は1755軒。この半世紀にわたり減少を続け、1968年のピーク時と比べて1・6万軒以上も減っている▼銭湯を取り巻く環境が厳しい中でも、近頃は「銭湯トレカ」なるものがひそかなブームになっているという。集客アップに向けて京都市内に住む男性が制作。お湯の種類や魅力などを記した手のひらサイズのカードで、これ目当てに銭湯を利用する若者も少なくないようだ▼東京・原宿では17日開業する商業施設「東急プラザ原宿 ハラカド」に銭湯が設置される。東京・高円寺の老舗「小杉湯」が運営し、新たなコンセプトで誕生する都心の銭湯として大きな話題となっている▼銭湯に行くと番台に座る人や他の利用客と交わすたわいもない会話が楽しい。コロナ禍を契機にリモートでのコミュニケーションが広まったとはいえ、そんな日常の社交場を盛り上げていきたい。

source https://www.decn.co.jp/?p=162609

2024年4月10日水曜日

回転窓/国内外の安全・安心に貢献

 イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃で、世界銀行と国連はインフラ被害額が1月末時点で約185億ドル(約2兆8000億円)に上ったとする報告書を2日公表した▼最も物的被害が大きい住宅は被害額の72%に達し、100万人以上が家を失った。教育システムは崩壊し、子どもたちの全員が学校に通えていない。かろうじて残った公共サービスの施設は電気や水などが不足し、医療システムも崩壊寸前にある▼ロシアによるウクライナ侵攻も長期化している。こうした世界の戦禍は日本にとっても対岸の火事ではない。「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」に直面しており、いつ紛争に巻き込まれないとも限らない▼政府は1日、防衛力を強化するため「特定利用空港・港湾(特定重要拠点)」に7道県の16施設を決定した。滑走路の延伸や大型艦が接岸できる岸壁の整備などが進められる予定だ▼つい2カ月前には国土交通省がウクライナ地方・国土・インフラ発展省と官民によるインフラ復旧協力に向けた覚書を交わした。国内外での整備を通じ、安全・安心な社会の実現に貢献する建設業の役割は大きい。

source https://www.decn.co.jp/?p=162576

2024年4月9日火曜日

回転窓/旬を味わう食文化

 春に旬を迎える食材を楽しむ方も多かろう。居酒屋などのおすすめメニューにも、この時期に採れる山海の幸を使った一品が並ぶ▼冬の寒さに耐えてきた春野菜は栄養をしっかりと蓄え、特有の苦みを持つものも少なくない。暖かくなって他の生き物の動きが活発になり、外敵から身を守るために苦みの成分を多く含む。その苦みは体の新陳代謝を促すそう▼先日訪れた飲食店で季節の天ぷらを注文し、タケノコとアスパラガス、サクラエビが入ったかき揚げをいただいた。それぞれの旬の食材が持つおいしさを一度に味わえ、春の味覚を堪能させてもらった▼サクラエビの国内水揚げは静岡の駿河湾のみ。資源保護のため、漁期は3月中旬~6月初旬の春漁、10月下旬~12月下旬の秋漁の年2回となる。2018年以降は不漁続きだったが近年は回復傾向にあり、今年の春漁もまずまずのようだ▼〈おらが世やそこらの草も餅になる〉(小林一茶)。最新の生産施設で季節に関係なく食材が手に入る現代だが、育つ場所や時期が変われば香りや味、栄養価も異なる。自然や季節を感じながら旬を味わう食文化は残さねばならない。

source https://www.decn.co.jp/?p=162551

2024年4月8日月曜日

回転窓/「20××年問題」への対応

 建築評論家の馬場璋造氏(1935~2021年)は、00年2月4日付本紙に「建築界のパラダイムシフトの行方」と題した文章を寄せている。冒頭に書いたのはコンピューターの誤作動が懸念された「2000年問題」のこと▼「1900」の上2桁を省略した結果がこの問題であり、当時起きた東海村のウラン加工施設臨界事故なども関係者に省略の意識が働いているからだと指摘。知恵を省略の方に向けてはいけないと警鐘を鳴らした▼建設・不動産業は幾たびか「20××年問題」に直面してきた。オフィスの供給過剰でテナント獲得競争が激化する「2003年問題」。世界的な金融危機などを背景にオフィス需要が減退する「2010年問題」も取り沙汰された▼団塊世代の大量退職が始まる「2007年問題」も記憶に新しい。これを契機に技術・技能の継承が喫緊の課題として広く認識されたと言えよう▼4月から建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用された。いわゆる「2024年問題」では、さまざまな知恵を集約しながら継続的な取り組みが必要だ。建設業のパラダイムシフトが本格化していく。

source https://www.decn.co.jp/?p=162515

2024年4月5日金曜日

回転窓/チェーンと個人店

 玩具などを扱う地元の個人商店が3月末で閉店した。60年以上続いていたが、街づくりが進む中で移転を余儀なくされ、賃料が上昇している状況での事業継続は難しいと判断したようだ▼最終日に立ち寄ると常連客や親子連れで行列になっていた。インターネット上に商品一覧などは出しておらず、掘り出し物を探しにマニアも来ていたよう。前に並んでいた中年客は数万円の商品を買っていった▼地元では大型商業施設が今月オープンするが、全国展開のチェーン店ばかりが並ぶ。物価や賃金の上昇が向かい風となり、個人経営がより一層厳しくなっているというのが一般的な見方か▼とはいえ大手以外にも行列になる店はある。ある再開発ビルでは当初想定していなかった高級食材店が入居。不安の声もあったようだが、ニーズが合致し連日にぎわっているそう▼社会や環境に配慮する「エシカル消費」や、共感などを重視する「エモ消費」が広がっている。地域に根差した多彩な個人店と、均質なサービスを得られる大手チェーンでは役割が異なる側面もあろう。特長を生かしてどちらも発展していく街づくりを期待したい。

source https://www.decn.co.jp/?p=162440

2024年4月4日木曜日

回転窓/若手成長への環境づくり

 プロ野球のセ・パ両リーグが先月29日開幕した。今年は日本のプロ野球誕生から90年の節目の年。特別展示などの企画も楽しみだが、記念ロゴ入りのキャップを着用した選手たちのはつらつとしたプレーに期待している▼日本のプロ野球は65年にわたって12球団で行われてきたが、今季からファーム・リーグ(2軍戦)が14球団に拡大。ウエスタン・リーグに静岡市が本拠地の「くふうハヤテベンチャーズ静岡」、イースタン・リーグに独立リーグで戦ってきた「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」の2球団が加わった▼2軍戦には将来有望な選手が多数出場する。これまで球団がなかった地域の子どもたちにも高い技術やスピード感あふれるプレーを披露し、スポーツの醍醐味(だいごみ)を伝えてもらいたい▼ここ数年、2軍本拠地を移転・再整備するなど、育成拠点を充実させる球団が多い。若手選手の成長を後押しし、チーム力の強化を図るのが狙いだろう▼新年度に入り建設産業も有望な若者たちを迎えた。企業力や施工力を担う人材に成長してもらうため、これからもさまざまな環境づくりが欠かせない。

source https://www.decn.co.jp/?p=162407

2024年4月3日水曜日

回転窓/眼鏡から見る桜

 〈見えないモノを見ようとして 望遠鏡を覗(のぞ)き込んだ〉。メンバー全員が千葉県佐倉市出身のバンド、BUMP OF CHICKENのヒット曲「天体観測」の歌詞にその一節がある▼曲は2001年のリリース。聴いた人によって連想する場面や印象が異なるという歌詞と、爽快なメロディーは今も人気だ。有名音楽チャートではストリーミングの累計再生が22年に1億回を超えた▼趣味で手元が見えにくく難儀するようになり、先日、眼鏡を初めて購入した。ピントが合わず見えづらかった距離の文字もはっきりと認識でき、感想は驚きより感動に近い▼これまで幸いにも眼鏡とは無縁の生活だった。掛けた姿を人に見られるのを気恥ずかしくも思ってきたが、もっと早く手にすべきだったと後悔しきり。趣味だけでなく原稿の作成や記事の校正にもう手放すことはできない▼佐倉市の佐倉城址公園は桜の名所として知られる。千本以上の桜が咲き誇る花景色は、幼い頃に訪れた記憶のままきっと美しいだろう。今週末にも新しい眼鏡を持って見に出掛けたい。年月を経て自分がどれだけ変わったのか観測できるかも。

source https://www.decn.co.jp/?p=162373

2024年4月2日火曜日

回転窓/沸騰化時代の衣替え

 3月最後の土日は半袖のTシャツ、短パンにサンダルなど夏服姿の方をよく見掛けた。春を通り越し、一気に夏が来たかのような暑さに衣替えも追い付かないほど。各地で25度以上の夏日となり、3月として観測史上最高気温を記録したところも▼暖冬でサクラの開花時期は例年より早まるかと思いきや、天候不順で当初予想より遅れた地域が少なくない。この季節外れの暑さでサクラのつぼみも成長し、開花宣言が相次いだ▼気象庁が奈良や水戸、前橋などの開花を3月31日に発表し、高知は全国で今年初めて満開に。いずれの発表時期も去年と比べて1~2週間ほど遅いという▼「四月一日」の名字を「わたぬき」と呼ぶ由来は、冬に防寒として着物に詰めた綿を旧暦の同日に抜いていたから。現在の5月上旬に行われていた昔の慣習だが、温暖化の進展で衣替えの時期が早まっているのは確かだろう▼「地球沸騰化」のキーワードが話題に上った昨年は、世界的に観測史上で年間平均気温が最も高かった。温暖化による気候変動は地域の暮らしや風習にも大きな影響を与える。あらゆる策を講じて沸騰を抑え込まねばならない。

source https://www.decn.co.jp/?p=162343

2024年4月1日月曜日

回転窓/どんな時も一人ではない

 競泳の池江璃花子選手(23)がパリ五輪代表に選ばれ、3大会連続の出場を決めた。先月の代表選考会で女子100メートルバタフライ決勝後に話した「水泳も、きついことも楽しいと思える日をどんどん増やしたい」(時事)のコメントが頼もしく、五輪での活躍が期待される▼白血病を克服し、実戦復帰したのは4年前。翌年の東京五輪に出場するが、五輪の個人種目で戦うのは2大会ぶりとなる。心からエールを送りたい▼10代で長期療養を余儀なくされた。日本のトップスイマーに返り咲くまでにどれほどの努力を重ねたのか。強い意志を持ちつつも不安な日々であったかもしれない▼きょう1日は各地で入社式や入庁式が行われる。新社会人の皆さんは期待と不安が入り交じった心境だろうか。一人で悩みを抱え込まず、周りの人に相談し支えてもらう。そう思えることもこれからの社会人生活ではきっと大きい▼池江選手は以前、〈応援してくださる皆様へ〉とこんなメッセージをつづっている。「どんな時でも1人ではない事を忘れません」(オフィシャルサイトより)。支えてくれる多くの人の思いと一緒に臨む五輪であろう。

source https://www.decn.co.jp/?p=162319

2024年3月29日金曜日

回転窓/上昇の新年度へ

 親子連れや杖をついた高齢者、車いすの人たちがすいすいと乗り込んでいく。宇都宮市などで昨年8月に開業した次世代型路面電車(LRT)の光景だ。予測を上回るペースで利用され、2月に200万人を突破した▼国土交通省が26日発表した2024年の公示地価では、LRT沿線の居住環境が良好な住宅地を中心に高い上昇となった。ウオーカブルな街のシンボルとして全国の注目を集める▼全用途で上昇率1位は熊本県大津町の商業地の地点。台湾積体電路製造(TSMC)が同県菊陽町に半導体工場を建設した影響で、隣接地域を含め多岐にわたる需要が盛り上がっている▼ただ、すべてが右肩上がりではない。石川県珠洲市の地点は、商業地で最も下落率が高かった。能登半島地震の影響は反映されておらず、人口減少などもともとの厳しい状況が背景にある▼地域の魅力向上は容易ではないが、戦略的な取り組みが花開いていることも事実。値段が上がることに翻弄(ほんろう)されるのではなく、価値と共に価格を上げていくのがあるべき姿。成長が当たり前の時代を目指し、前向きな気持ちで新年度を迎えたい。

source https://www.decn.co.jp/?p=162244

2024年3月28日木曜日

回転窓/イカキングの価値

 動画を2倍速で視聴する人が増えているという。短い時間でより多くの情報を得たい気持ちは分かるが、話し方や会話の間を「無駄」として省くようでどうも馴染めない▼石川県能登町の海沿いにあるスルメイカの巨大なモニュメント「イカキング」は、1月の能登半島地震で津波にさらされながらもほぼ無傷で残った。かつて「無駄遣い」と批判を浴びたが、復興に向け住民の心を支えている▼同町の能登小木港は「日本三大イカ釣り漁港」で知られる。盛んなイカ漁をPRしようと、特産のスルメイカを全長13メートル×幅9メートル×高さ4メートルの大きさでリアルに再現した▼観光施設「イカの駅つくモール」に設置されたのは2021年3月。製作費に新型コロナウイルス対策の臨時交付金約2500万円が充てられたため、コロナ対策とは無関係な支出として国内外で報じられた。だが多くのメディアに取り上げられたことで観光客が増え、予想以上の経済効果が生まれたそうだ▼限られた財源を有効に活用するのは大前提だが、一見無駄のように見えるものにも代えがたい価値があったりする。無駄を楽しむ豊かさにも目を向けたい。

source https://www.decn.co.jp/?p=162203

2024年3月27日水曜日

回転窓/北アの山小屋のインフラ投資

 北アルプス(北ア)の南部にそそり立つ槍ケ岳の山域にある民営の山小屋が、公衆無線LANの導入を検討している。有料サービスを想定し、登山者などへの意向調査を開始した▼3000メートル級の山がそびえ立つ北ア。大手キャリアが基地局を設けているものの、大勢が行き交う盛夏は電波が飛びながらも通信が難しくなることが少なくない。非常時の連絡手段が補完されることにもなり、既にサービスの導入を期待する声が挙がっていると聞いた▼国土交通省が地方整備局舎や出先事務所などに設置された通信鉄塔の耐震強化に取り組んでいる。耐震性が不足する施設が確認され、ある整備局は鉄塔の廃止・統合を含めて対策を検討していくという▼鉄塔は、大規模災害の被害状況などをデータの送受信で確認・収集する多重無線回線を保つ役割を担っている。電話回線や光ファイバーが遮断されるような深刻な事態への備えになるだけに、対応を急ぐそう▼雪に閉ざされてきた北アも4月に入れば山小屋が次々に運営を再開する。地上も山も通信機能が増強されるに越したことはない。必要なインフラ整備の進展を期待したい。

source https://www.decn.co.jp/?p=162170

2024年3月26日火曜日

回転窓/新たな聖地誕生

 世界的にも高く評価される日本のマンガやアニメ。無数の人気作品を世に出してきたマンガ雑誌『週刊少年ジャンプ』(集英社)の中でも、「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」を描いた鳥山明さんの知名度は群を抜く▼多くの国で作品が翻訳され、ファンは世界中に広がる。今月1日に急逝した鳥山さんの訃報を、国内外のメディアが大きく取り上げた。国を越えて老若男女を魅了し、社会・文化にも大きな影響を与えた希代のクリエーターの死を悼んだ▼数十年前に中国で知り合った大学生の中に、鳥山作品の熱烈なファンがいた。ストーリーを深く理解するために日本語を学んでいるのだと熱く語っていたのが懐かしい▼「ドラゴンボール」のテーマパークがサウジアラビアのエンターテインメント都市に建設される。先週22日に東映アニメーションが発表。作品に登場する建物やキャラクター「神龍(シェンロン)」をモチーフにしたアトラクションが造られるという▼日本発のサブカルが他国でも観光資源として注目され、絶大な人気を誇る作品の集客効果への期待は大きい。ファンが集う新たな聖地が中東に誕生する。

source https://www.decn.co.jp/?p=162147

2024年3月25日月曜日

回転窓/ゴルフを通じた学び

 プロゴルファーの青木功氏には「自分の先生」と信頼し親交を深めたアマチュアゴルファーがいる。「プロより強いアマチュア」と呼ばれた中部銀次郎氏(1942~2001年)である▼中部氏は日本アマチュアゴルフ選手権で優勝6度など輝かしい戦績を残し、ゴルフに向き合う姿勢や考え方が今も多くの人に支持されている。亡くなって20年以上たつが、自著を含めた関連書籍などでその人物像を知ることができる▼プロとして駆け出しのころ、試合の大詰めでボールが曲がり勝てないでいた青木氏は、同い年生まれの中部氏からアドバイスを受ける。これがきっかけとなって初優勝を飾り、日本を代表する名プレーヤーとなっていく▼コロナ禍を契機にゴルフ人気が高まっている。なかでも若い世代にゴルフを楽しむ人が増えたと言われ、関連業界には明るい話題だ。これからも人気継続のためにさまざまな取り組みが求められよう▼中部氏の語録や文章を読むと、普段の仕事などにも通じるものが多い。〈もっと深く、もっと楽しく〉は自著のタイトル。ゴルフに限らず、そうした心持ちが大切であると教えてくれる。

source https://www.decn.co.jp/?p=162100

2024年3月22日金曜日

回転窓/マイナス金利解除

 日銀が19日、マイナス金利政策の解除を決めた。2007年以来17年ぶりの利上げであり、日本経済の再生を後押しすることになるのか。大きな正念場を迎えている▼24年春闘では、大企業を中心に賃上げが進む方向となった。日銀は、賃金と物価がともに上昇する好循環を確認し、2%の物価上昇目標の持続的・安定的な実現が見通せると判断。大規模な金融緩和は役割を果たしたと評価した▼三菱UFJ銀行らは同日、普通預金金利を引き上げると発表した。預金者からすればメリットになる一方、借り手側には負担増になる。帝国データバンクの分析によれば、借入金利が1%まで引き上げられたとすると企業の7%が赤字転落する見通しという▼方針転換による影響は当然生じるが、異例の金融緩和をずっと続けるわけにはいかない。「今後到来する金利のある世界に備えた意識の変革が企業にも強く求められる」と同社は訴える▼岸田文雄首相は、「デフレからの完全脱却と新たな成長型経済への移行に向けてあらゆる手段を総動員したい」と強調した。前向きの変化と捉え、好循環の歩みを強めていかなかればならない。

source https://www.decn.co.jp/?p=162033

2024年3月21日木曜日

回転窓/2011年生まれの卒業式

 近所の小学生と保護者らが登校前に、公園で写真を撮影していた。卒業式を間近に控えた6年生の思い出の写真を残そうとのこと。卒業する児童を兄弟姉妹らが囲み、「おめでとう」と声を掛ける姿がほほ笑ましかった▼成長して6年間背負い続けたランドセル姿もこれで見納めかと感傷に浸る保護者のそばで、子供たちは卒業式の髪形や進学先の中学校の制服の話で盛り上がっていた▼卒業式が近づく中で、小学校の校長や担任の先生が児童らに災害の話をよくしてくれたという。能登半島地震が発生した年に卒業するだけでなく、6年生の多くが東日本大震災のあった2011年生まれのためだ▼先生たちは災害への備えに加え、「思いやり」や「感謝の気持ち」を持つことに言及。マスクを着用し、周りとの会話が制限されたコロナ禍も経験した卒業生らに、人とのつながりの大切さを伝えて送り出したかったようだ▼公園で写真を撮り終えた6年生が「今日までありがとう。みんな頑張れ!」と発した言葉から、恩師の教えがしっかり伝わっていることがうかがえる。これから出会う人たちとのつながりも大事にしてほしい。

source https://www.decn.co.jp/?p=161996

2024年3月19日火曜日

回転窓/能登の春遠からじ

 冬の寒さが和らぎ、外出時の服装は防寒の厚着から薄着に変わりつつある。気温が上がり、各地では春の訪れを告げるサクラの開花がこれから本格的に進む▼春の陽気で身も心も軽くなると、うちにこもらず、外に出かけたくなるのが人の行動心理だろう。花見の名所などの観光地には、待ちに待った行楽シーズンが到来する▼先週末の16日、北陸新幹線で富山・石川方面に出張で訪れた。始発の東京駅から乗車すると、連休でもないいつもの土日ながら自由席はすぐ満席に。途中駅の上野、大宮からの乗客も加わり、通路には人があふれ、車両内を行き来するのも大変な状態だった▼金沢~敦賀の延伸区間開業に加え、旅行代金が割り引かれる「北陸応援割」が始まった効果かと思いきや、半分以上の乗客は途中の長野辺りまでに降車。他の車両の状況は分からないが、服装や荷物などからスキー・スノボーや登山が目的の方が多かったようだ▼冬来たりなば春遠からじ--。厳しい冬が来ても、暖かな春は必ず訪れる。今はつらく、大変な状況が続く能登半島地震の被災地だが、この先には復興という明るい未来が待っている。

source https://www.decn.co.jp/?p=161973

2024年3月18日月曜日

回転窓/点字ブロックの歴史を知る

 きょう3月18日は「点字ブロックの日」。1967年のこの日、岡山市内に世界で初めて敷設されたことにちなんだ記念日である▼発明者は三宅精一氏(26~82年)。視覚障害者が交差点で道路を横断しようとしていた時、車が横を勢いよく走っていくのを見て「はっ」とし、点字ブロックの構想が浮かんだという▼開発経緯や普及への歩みは安全交通試験研究センター発行『白浪に向いて 三宅精一を語る』(83年、岩橋英行著)に詳しい。三宅氏は中途失明する著者との親交を通じて、視覚障害者が安全に歩けるための構想実現へ試行錯誤し開発に成功する▼それから半世紀以上がたち、歩道や駅ホームなどに設置された点字ブロックは、視覚障害者の歩行に欠かせない社会インフラとなっている。だがその上に荷物や自転車などが置かれていたらどうなるのか。誰もが容易に想像できよう▼著者は発行前年に亡くなった三宅氏にヘレン・ケラーの言葉を手向けている。「あなたのランプの灯を、今少し高く掲げて下さい。見えぬ方々の行く手を照らすために」。後世に伝えていかなければならない点字ブロック誕生の歴史がある。

source https://www.decn.co.jp/?p=161934

2024年3月14日木曜日

回転窓/食物繊維25グラムに挑む

 朝食は野菜から食べ始める「ベジファースト」を実践している。最初に野菜を食べるだけで、食事内容を変えず手軽にダイエットできるとの触れ込みで始めたが、現実はそう甘くないようだ▼厚生労働省の有識者検討会が2025年に改定する「日本人の食事摂取基準」案で、新たな栄養素などの摂取基準量を示した。この中で「少なくとも1日当たり25~29グラムの食物繊維の摂取が、さまざまな生活習慣病のリスク低下に寄与する」と指摘している▼より多くの摂取で病気になるリスクを減らせるとの研究もあり、成人には現行基準より1グラム多い1日当たり25グラム以上の摂取を推奨した。これは一般的なトマトで約17個分、食物繊維が多いゴボウでも約2・5本分に当たる▼毎日の食事だけで推奨値をクリアし続けるのは難しい。食物繊維が豊富な食材を摂るだけでなく、健康食品やサプリメントの適切な活用なども求められる▼国民の健康や栄養調査に基づき食事摂取基準は5年ごとに改正される。体を大切にしてこそ仕事や遊びも楽しめる。ベジファーストは続けつつ、新年度を前に健康維持への日々の取り組みについて考えよう。

source https://www.decn.co.jp/?p=161826

2024年3月13日水曜日

回転窓/温かいお別れ

 近所の少年サッカーチームでベテランコーチとのお別れ会が先日開かれた。言葉が厳しいせいか、低学年の選手や保護者には誤解されやすい一面があったのだという▼高学年になるにつれて慕う選手が増えていくコーチで、「小さいころ嫌いだったけど今は好き。褒められるとうれしい」と話す6年生の何人かが別れを惜しんで涙を流していた。厳しくも的を射た指摘に納得してきた保護者からは感謝の言葉が相次ぎ、温かい思い出になった▼今年も季節柄、別れの連絡をいただくのが増えた。「少しのんびりするつもりです」。交通運輸系のメディアを離れる公私でお世話になった記者からのメールに、そう書き添えてあった▼異動、転職、退職など、さまざまな事情で4月から環境が変わる人は多い。身近な人には出会いに感謝し、これからの活躍を願って「どうぞお元気で」と送り出したい▼サッカーチームのお別れ会で、ベテランコーチの職業は漁師であり、早朝の仕事を終えてから指導していたことが初めて明かされた。知らない一面ばかり。いずれ別れの時が来るなら、お互いを知る機会をもっと増やしていきたい。

source https://www.decn.co.jp/?p=161786

2024年3月12日火曜日

回転窓/不適切な「××」

 1月からTBS系で放送中の金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』。取材先との雑談などでもよく話題に上り、特に昭和世代の視聴者の多くがはまっているという▼主人公の体育教師が1986(昭和61)年から現代へタイムスリップし、出会う人たちとの絆をコメディータッチで描く。不適切発言やハラスメント連発の「昭和のおじさん」の極論が、コンプライアンスで縛られた現代人の価値観を揺さぶるのも見どころだ▼昭和から令和へと時代が移る中で変わっていいこと、変えずに守るべきことは…。ドラマでは多様性が尊重される現代社会で、異質なものを認めようとしない矛盾も示唆する▼生まれ育った時代や社会環境の違いにより、世代間の文化や考え方などに隔たりが生じるジェネレーションギャップ。70代後半の団塊の世代から10~20代前半のZ世代まで、幅広い年齢層が交わる社会での正論は一つに収まらないだろう▼働き方改革や人材育成もしかり。働き手の考えが千差万別なのに、一律的なルール・価値観で多様な働き方や学び方に制限をかけては、人も経済も持続的成長が望めないのではないだろうか。

source https://www.decn.co.jp/?p=161752

2024年3月11日月曜日

回転窓/ラジオ放送の共感性

 ラジオの聴取者はリスナーと称される。テレビにはこうした聞き慣れた言葉が見当たらず、ラジオ好きな人たちを総じた呼称とも言えよう▼1925年に日本のラジオ放送が始まってから来年で100年を迎える。当時は関東大震災(23年)を契機に高まったラジオへの期待が放送開始への後押しとなった。現在も災害時のメディアとしてラジオが果たす役割は大きい▼毎日放送の大牟田智佐子さんが『大災害とラジオ』(ナカニシヤ出版)に書いている。ラジオの災害放送は被害や生活に関わる情報を伝えるだけでなく、被災者らがいつものパーソナリティーの声を聞いてほっとするなど、特性の一つに〈共感〉があるという▼AMとFMとでは違いが見られ、例えばAMはリスナーの声を拾い上げて交流し、FMが音楽や日常の話題で安心を届ける。リスナーの置かれた状況に寄り添い共感して励ましなどを提供するもので、大牟田さんはこれをラジオの〈共感放送〉と呼ぶ▼民間ラジオ放送事業者がAM放送を終了し、FM放送への転換などを検討している。災害時に限らずこれからも大切な共感性はどうか失われないでほしい。

source https://www.decn.co.jp/?p=161731

2024年3月6日水曜日

回転窓/隣家に来た職人

 隣の一戸建て住宅で修繕工事が始まった。前日にはベテランと若手の職人が社名入りのタオルを持ってあいさつに。作業内容とスケジュールに関する説明が丁寧で分かりやすく、隣人としてこれなら大丈夫だろうと安心できた▼現場からは板材の加工やビス打ちなどの作業の合間に、心地よいやりとりが聞こえてくる。「(板材の)7号持ってきて」「置いてあります」。「あの角は測った?」「そこに書いておきました」▼そんな二人の会話だけで生産効率は極めて高いのだろうなと思えてしまう。「木くずが飛んでしまったので拾わせてください」と話しに来た若手に聞くと、職人になって2年目なのだという▼週末に仕事をしているので「お休み取れてる?」とも尋ねると、施主宅の駐車場を部材の加工などに使うため、車のない時間が長い日を中心に作業しているのだそう。「今は平日に休みをもらってます」と教えてくれた▼新しい公共工事設計労務単価が公表された。引き上げは12年連続で民間工事への波及も期待されている。「お給料は上がりそう?」。余計なことと承知の上で、今度話せた時にこっそり取材してみよう。

source https://www.decn.co.jp/?p=161571

2024年3月5日火曜日

回転窓/多様な焼き鳥文化

 梅や寒桜が関東各地で見頃を迎えている。近くの公園では早咲きのオカメザクラが満開となり、肌寒い中でも花をめでながら酒宴を開く方々がおられた▼酒宴の一団はガスコンロを持ち込み、鍋や鉄板でいろいろ調理していた。おいしそうな匂いに誘われて料理の話を伺うと、ひときわ目を引いたのは鶏皮肉を甘辛のタレで焼き上げた「今治焼き鳥」。愛媛県今治市出身の方が地元料理を振る舞ったようだ▼今治焼き鳥は熱々の鉄板の上で、大きな鉄のコテを使って肉を押さえながら豪快に焼く調理スタイル。市のホームページによると、商売人が多く、せっかちで待つのが嫌いな気質と言われる今治の人を満足させることから、約50年前に考案されたという▼日本焼き鳥協会では〈1〉畜産物(野生含む)の肉・内臓等を使用〈2〉食べやすい大きさに加工し串に刺す〈3〉塩・タレ等で焼き上げる-の3条件を満たしたものを「焼き鳥」「やきとり」と定義する。串に刺さないスタイルでも、今治のように地域の文化とされる場合は認定の対象となる▼酒のお供で定番メニューの焼き鳥。今夜も1軒立ち寄り、日本文化の味を堪能しよう。

source https://www.decn.co.jp/?p=161539

2024年3月4日月曜日

回転窓/街の表情と舗装

 会社に近い飲食店街を歩き、いつもとの違いにすぐ気が付いた。両サイドを店に囲まれた道路が明るいカラーアスファルト舗装に打ち換えられている▼朝に通るとごみが散乱して雰囲気も暗く、普段からお世辞にもきれいとは言えない一画であった。それが新しい舗装で周囲の印象も大きく変わったように感じるから驚きだ。舗装が街の表情を豊かにしてくれた好例だろう▼中央官庁による景観施策は1980年代から本格化していく。その中で当時の通商産業省(現経済産業省)は学識者や画家、旅行ジャーナリストらで構成する景観材料研究会を設置(88年)。検討成果が『街の素材-美しい景観をめざす“もの”づくり』(90年)にまとめられている▼この頃に景観材料への関心は高まりを見せる。〈いいものは、いい材料があり、いい職人がいないと造れない〉。同研究会で委員長を務めた学識者の言葉が思い出される▼2005年6月に景観緑三法が全面施行となるが、今から30年以上前にいい景観をつくるための素材にも官民の目が向けられていた。現在は景観舗装もバリエーションが豊富で一層の普及が期待される。

source https://www.decn.co.jp/?p=161521

2024年3月1日金曜日

回転窓/能登半島地震から2カ月

 能登半島地震で被災した能越自動車道のうち、のと三井IC~のと里山空港IC間で2月27日、対面通行が再開された。応急復旧だが被災地に大きな力となる▼国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所は「一歩ずつ確実に」とのハッシュタグを添えて復旧状況をSNS(インターネット交流サイト)に投稿。「土砂に雪に…本当に大変。心から感謝申し上げます」とコメントが寄せられていた▼きょうで発災から2カ月。住宅再建や主要インフラの全面再開には至っておらず、復興への道のりは遠い。被災地に明るさを取り戻すため地道に歩みを進める必要がある▼土木学会は災害時に根幹的な役割を担う幹線道路について、復旧の容易さなどを考慮した構造・工法を検討すべきだと指摘している。災害が起きても機能維持できる高規格インフラがあれば安心して人が集う▼北陸新幹線の金沢~敦賀間が16日に開業する。地域活性化への寄与と同時に、安定したネットワークとしても大きな意味を持つ。石川県は開業日に観光支援策「北陸応援割」を始める。被災地の再生を願いつつ、春の北陸を訪れてみてはどうだろうか。

source https://www.decn.co.jp/?p=161452

2024年2月29日木曜日

回転窓/100年先も見た使命

 東京都台東区内の柳が植えられた建物の前を通るのが散歩の定番コースとなっている。落語家・林家正蔵師匠の自宅で、父林家三平師匠の資料館「ねぎし三平堂」でもある。現在はリニューアルのため閉館中だが、再開を楽しみに待ちたい▼東京の落語家や講談師らでつくる「落語協会」が25日に創立100年を迎えた。1923年の関東大震災で多くの寄席が焼失し、ばらばらで活動していた落語家たちが団結し翌年に発足した▼落語家は活躍の場が寄席からラジオ、テレビへと広がり、近年ではインターネットを介した新たなメディアにも。各時代の名人たちが芸を守り革新してきた歴史だったのだろう▼「こんなにうれしいことはない。お客さまに喜んでもらうことでしか恩返しできない」と会長の柳亭市馬師匠。100年先のお客さまに応えられるよう良い芸を提供していくのが使命とも語る▼建設業は相次ぐ災害への対応や需給の変化など幾多の困難を乗り越え、創業から1世紀を超える企業も多い。市馬流に言えば、100年先のニーズにも応えられるよう高品質の建造物を提供していく建設業の使命はこれからも不変だ。

source https://www.decn.co.jp/?p=161414